バッテ リー関連

・表記    :24V10Ah=電圧24Vで電流10Aを1時間流せますよということ。24V5Aなら2時間
・容量計算 :24V10Ah=240W 36V15A=540W  電圧x電流で電力(W)

・消費電流 :コントローラーの表記が24V250W=24V10.41Ah 24V300W=12.5A  電力÷電圧=消費電流
・放電量   :24V10Ahのバッテリーから24V12.5Aの消費=1.25C(capacity)    消費電流÷バッテリー容量(Ah)=C

・急速充電 :バッテリー容量に対して通常0.2Cなどの少ない電流で充電するところをより多い電流で充電する
         時短
(6時間>30分など)になるが負荷も大きいた めバッテリーを傷める傾向

・サイクル :充放電可能な回数、寿命のこと。使い方により大きく変動する
        「満タンから使い切りまでの多純な繰り返しで、500回使うと本来の性能の50%まで低下する」などのこと
        急速充電など負荷の高い使用をしていると劣化が進み本来の回数より減ることもある
・BMS   :リチウム系は過充放電により発火や爆発の危険があるため、主に安全装置と しての役割がある
 (Battery Management System)


  バッテリー特性

・時間あたりの消費電流が大きくなるほど
 ・負荷時の電圧降下が起きる
 ・放電容量が減る (リチウムは僅か、鉛酸は大きい)
 ・サイクルが落ちる (充電回数のこと、バッテリーが痛む)
 ・発熱し高温で劣化が促進する

・温度が上がると放電特性が上がる

バッテリーが冷えると、放電性能が落ちる
 ・出力電圧の低下
 ・放電量の低下
 ・BMSによる出力停止 など                                        温度によるバッテリー出力の変化

* リチウムイオンのグラフ


鉛酸シールドバッテリー  サイクル500-800回 エネルギー密度 40Wh/kg
 ・自己放電が大きい
 ・メモリー効果がなく、満充電時が一番劣化しない
 ・放電し容量が減った状態で時間が経つと、サルフェーションという劣化現象が 起こる
  また高負荷時に発生しやすく、痛みやすい。
 ・大電流放電に弱い、放電容量がい著しく減り2Cで半分以下にもなる
 ・高負荷時に有毒ガスが発生する、発火性がある
 *サルフェーション除去

鉛シリコンバッテリー   サイクル500-800回
 ・自己放電が小さい
 ・メモリー効果がなく、またサルフェーションを起さない
 ・高負荷に強く劣化しにくい、電圧降下/放電容量の低減が低い、急速充電に強い
 ・有毒ガスを殆ど発生しない

Ni-MH(ニッケル水素)   サイクル1000回 エネルギー密度 80Wh/kg
 ・自己放電がある
 ・メモリー効果がある
 ・急速充電が可能
 ・爆発性がある

LiCoO2(リチウムイオン) サイクル1200回 エネルギー密度 160Wh/kg
 ・自己放電が小さい
 ・メモリー効果がない
 ・高負荷に強い、放電容量の低減が低い、急速充電が可能
 ・発火性がある

LiFePO4(リフェ)      サイクル2000回 エネルギー密度 120Wh/kg
 ・自己放電が小さい
 ・メモリー効果がない
 ・高負荷に強く劣化しにくい、電圧降下/放電容量の低減が低い、急速充電に強い
 ・放電終了間際まで電圧を維持する
 ・比較的低温に強い
 ・安全性が高い



  実例
・鉛酸シールド :1.8Cでの使用:通勤などで1週間、容量が1/4まで低下
           2.5Cでの使用:ガスが発生した、電解液が減ってし まったため性能低下が起こる
・リチウムイオン:低温により電圧降下が起こりBMSの終了電圧に達したため、 充電量があるにも関わらず出力できなくなった


  悪条件
・共通:過充電,過放電,高温,高負荷放電   *過充放電のダメージは著しい
・鉛酸:充電量が減った状態での放置
・リチウム系:充電量が80%を超えた状態での放置  [満充電状態/45℃/6ヶ月:60%劣化]

  運用方法
・共通:高温、大電流の充放電を避ける
・鉛酸:放電後速やかに100%充電するのが望ましい
・リチウム系:充電量30〜80%の間での運用が望ましい

  保管方法
・共通:高温を避け、低温である方が良い(0℃以上)
・鉛酸:100%充電にした後、月に1度程度の充電
・リチウム系:50%前後充電した後、3ヶ月に1度50%まで充電




 関連URL

二 次電池 Wiki


鉛 蓄電池 Wiki
http://www.laslon.com/qa/qa_30.html
http://www.greensaverbattery.com/hikaku-greensaver.htm
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gB-00066/

リチウム
http://www.baysun.net/ionbattery_story/lithium10.html
http://www.edisonpower.co.jp/ion_battery/6.html
http://www.uemura-mechatronics.com/technical-lipo.html

リチウムフェライト
http://blog340.blog63.fc2.com/blog-entry-912.html
http://blogs.yahoo.co.jp/mr_ib5/33340972.html
http://rockcrawlers.wordpress.com/2009/05/24/20090524001/
http://blog.goo.ne.jp/istak56/e/34a2e19129c465f2949ccc451a48132a
http://mokez.dtiblog.com/blog-entry-367.html




  異常時のバッテリー安定性について考察

 リチウムイオン   Li-Ion
発生するガスの可燃性が高い。
金属シェルと電解液を使用する為、内圧が高くなりやすい。
高い圧力での炸裂が起き易く、電解液を飛散させ易い。

 リチウムポリマー  Li-Po
揮発性と膨張性が高く、発生ガス/素材共に可燃性が高い。
ガス化の反応が極めて速く、シェルがフィルムであるため外部へ漏れやすい。
圧力が高まった早い段階で気密構造が破られ爆発にいたる事が少ない。

 リチウムフェライト LiFePO4
リン酸鉄系のリチウムポリマーバッテリー

Li-Feの安定性:過充 放電・短絡(ショート)・変形・釘を刺しても発火/爆発を殆ど起さない
リチウムイオン/ポリマー 安全性テスト




 電路焼損の事例

BMSの焼損
http://endless-sphere.com/forums/viewtopic.php?f=4&t=14356
モーター線の焼損
http://yashinomi-blog.seesaa.net/article/95315271.html






  バッテリーマネージメント

 セルバランス
・それぞれの種類の電池は1つあたりで発生する電圧が決まっているため単体での高電圧を得られない
 そのためバッテリーパックの構造は単セルの集合体である

・直列にする事で電圧を、さらにそれを同数ずつ並列にする事で容量を調整する

・基本的には内部の各セルは平均的に電力が使用されまた充電されるが
 僅かずつばらつきが発生し、不均衡が進むと次のような不具合が発生する

 ・周囲のセルよりも電圧が低いセルがある場合バッテリー容量を使い切ろうと
  した時などに部分的な過放電が起きる
 ・また充電時には高い電圧のセルは過充電となる
 ・弱ったセルには放電性能の低下により負荷がかかる

*過充放電:ダメージ・発熱・発火・爆発などを伴う


 バランス充電
過充電を回避し不均衡を補正する為、各セルを個別に充電する方法
バランス充電用の配線が施されたバッテリーパックと専用の充電器を要する

通常の充電は直列または並列になったセル全体に電圧をかけて充電する
このため不均衡を起しているバッテリーパックを充電した時部分的な過充電を起す

 BMSの動作
良質なBMSは各セルの電圧を個々に監視
いずれかのセルが過充放電する前に充放電を止める
過電流を防止する(主にカット)
高温になると出力を止めて保護する

セルバランスを補正する
 ・低い電圧のセルに合わせ均一に放電する    :蓄電を減らしてしまう
 ・高い電圧のセルから低い電圧のセルへ充電する :充放電が発生する

粗悪なBMS(単純機能)
 ・バッテリーパック全体の電圧しか監視しない
 ・セルごとの監視はするが、バランス補正をしない  など

http://www.edisonpower.co.jp/ion_battery/7.html





  リチウムの運用

携帯電話用リチウムイオンバッテリーの実証結果を用いた
リチウム系バッテリーの運用方法について考察

  携帯電話において過充電/過放電はない
・携帯電話用バッテリーパックにはBMSが内臓され過充放電の防止処置がされている
 また携帯電話本体も充電制御をしているため過充放電になることはない
・充電残量表示が0%でも過放電ということは無いが、そのままの状態で長期間放置すれば
 自己放電が進み過放電にいたる

  劣化進める状態
・過充電/過放電 :損傷に近い、1度でもこの状態になれば使用不能や充電時に発火するなどの事態となる
・高温        :短期間での劣化が速い
・高負荷での使用 :大電流での充電/放電
・高い充電量    :充電完了100%で長時間この状態にあるのが良くない
・80%以上の充電 :充電時の発熱量が上がる、充電効率の低下

BMS等の過放電防止処置をする、急速充電をしない、穏やかに加速する、高温を避ける
100%の充電でも長時間放置せずに80%まで残量を減らす


  理想的な運用
リチウムイオンの放電カーブを見れば、終盤の電圧降下が見て取れる
電動自転車等で使用する場合「残量が減る=電圧が落ちる」ほど電流で補おうとするので
放電に関しては低残量なほど負荷が高まる傾向にある

・適度な運用 :20〜80%  すこし余裕を持った容量を選択すれば長距離での運用も楽
・最適な運用 :30〜50%  長距離や低容量のバッテリーでの運用が難しい

・低難易度の運用 :20〜100%  充電完了した後、短時間のうち使用し80%以下まで残量を減らす

低電流で時間をかけた充電を行う
高容量のバッテリーを選択して放電負荷を抑える


 通勤などで考えられる運用サイクル
短距離 1回/週 :日曜の夜から月曜の朝までに100%充電、1週間通しで使用する
中距離 2回/週 :20%程まで低下したらタイマー制御で50%程度補充電をする、時間は計測と計算で算出
長距離 毎日   :夜から朝にかけて100%充電


  保管条件
低温/低残量での保管が最も望ましいが、あまり残量を減らした状態で長期間放置してしまえば
過放電にいたり経年劣化の比ではないダメージを受けてしまう

・50%前後の残量で安全な保管を行う        :半年毎、うっかり長期間管理を怠った場合の保険
・10〜20%ほどの残量で補充電管理を徹底する  :1ヶ月毎などの定期的な管理




  電路損失

 電力ケーブルによる損失/効率化を検証

GT-R改48V1000W:最大消費30A、最高速度時21A(計算値)
 鉛酸シールドバッテリー部  推定許容量 36A :安いケーブルの継ぎはぎ3重
 コントローラーへのケーブル   許容量120A :自動車用途の22SQケーブル


・バッテリー対策前 推定18A  ケーブル推定18A  *発熱により被覆 が溶けた

        無負荷空転52.2V/52.6km/h
 開始53.7V ゼロ発進41.8V 加速終盤45.4V         最高速度41.3km/h

・バッテリー2重 推定28A  ケーブル 推定18A

 充電直後:55V 無負荷空転54.4km/h
 開始54.2V ゼロ発進45.8V 加速終盤46.8V          最高速度44km/h

・バッテリー3重 推定36A  ケーブル 推定18A

 充電直後:55.1V 無負荷空転54.0V/54.8km/h
 開始54.3V ゼロ発進46.4V 加速終盤47.0V 加速終了 48.0V 最高速度44.7km/h

・バッテリー3重 推定36A  ケーブル 120A

 充電直後:55.3V 無負荷空転54.0V/54.9km/h
 開始54.5V ゼロ発進47.9V 加速終盤48.9V 加速終了 49.0V 最高速度44.5km/h

 2回目
 充電直後:55.2V 無負荷空転53.9V/54.4km/h
 開始54.7V ゼロ発進47.7V 加速終盤48.0V 加速終了 48.3V 最高速度44.9km/h


*電線の許容量が増えるごとに電圧降下(損出)が抑えられてるのが見て取れる
*電圧降下18%,最高速度8%改善


 まとめ

太くする程に抵抗が減って損失が減るので、理論的には太いほどに有利
・負荷に対して許容量が不足する場合は、発熱により損失が著しい
 「許容量18A/負荷30A〜21A:損失13%〜7%」
・実質的には負荷電流に対して、ケーブルの許容量が1.5倍くらいまでが効果が 大きいと推測される
 *許容量=負荷 > 許容量=負荷x1.5 は1〜2%くらいの改善

・最大負荷が30Aなら許容量30Aのケーブルを使用しなければならないが
 より太くする事による効率化は2%程がよいところ?

*容量不足は発熱によって被覆が解けてショートし発火,爆発などを引き起こす


 実例

NOMEL PLAYA2.5 エアロ工房さん
最大負荷52A  許容量60A >80A
純正0.5オームとターニー0.4オームと2割くらい低抵抗になりました。
これまで電流が熱に変わっていた仕事を動力に変えて欲しいと思っています。

全域にわたってトルクが太くなったように感じます。やっぱり動力線をいいものに するのは効果があります。
今まで電流の損失があって熱に変わっていたものがそのままモーターに伝わるので当たり前といえば当たり前です。



  ケーブル選び

 電流量(A)の計算
電力(W)÷電圧(V)=電流(A)
必要容量:最大出力時には定価の1.5倍ほどの電流が流れる為、定価×1.5とする
理想容量:必要容量が算出できたら更に1.5倍とする

 例:定価36v350w=9.722A  ×1.5=14.58A (必要容量)  ×1.5=21.87A  2sq(24A)

該当するケーブルを選択:電路部品対応表 を参照

*必要以上に太くするとそれなりに重量が増えるので注意