フル電ス ペック選択の指針


*前置き
35km/h未満と40km/h以上が一つの境目  >コンパクト/重量級
・40km/h以上はお庭では持余すので、公道対応/高出力の傾向。選択肢として電動バイクが ある
・30km/h以上+人力は20インチ以上+スプロケットの交換か26インチ以上が 必須
・とにかく高出力志向であれば、一度「雑多」にある動画を参照


・要求スペックを決める       *面倒な方は下記ショートカット版参照

 ・完成品かキットか
 ・アシストを必要とするか   >アシストは低速巡航向け、40km/h台ではペダルが追いつかないことが多い  *下記アシストを参照
 ・最高速度
 ・航続距離
 ・バッテリーの重量/着脱の必要性  >直接充電器を接続できる場合、重いバッテリーなども選択肢になる
 ・タイヤサイズ
 ・トルク     >坂道が多い場合など

 *軸となるのは最高速度、次に完成品かまたは作るか。国内流通の完成品は35km/h


・最高速度を共に実際のスペックを当てはめる

 ・24V250W(10.4A)=25km/h
 ・36V600W(16.6A)=35km/h   ・36V350W+人力=40km/h
 ・48V1000W(20.8A)=44km/h

 上記を元にシュミレーターで理想値を割り出す
  ・モーターを適当に選択
  ・バッテリーにカスタム値で「電圧/10Ah」と入力
  ・コントローラーに計算で求めた消費電流値をカスタム値で入力
  ・タイヤのサイズを入力

 *モーター/タイヤの値を変えて要求を満たさなければ電圧を上げる
 *速度にこだわる場合高めのスペックを選択


・出力が決まったらバッテリーの容量/航続距離を計算する

  24V250W(10.4A)=25km/h に決定したとする

 ・24V12Ah=288W  25kmで1.15時間=28km  理論値
 ・24V20Ah=480W  25kmで1.92時間=48km
 ・24V30Ah=720W  25kmで2.88時間=72km

 *理論値なので余裕をもって選択、重量やコストとの兼ね合い


・坂道が多い場合

 ・必 要動力シュミレーターで計算
 ・算出したW数を上記「速度別スペック表」に当てはめる


*以上の流れから実要求スペックを割り出し、パーツまたは完成車を探す




 スペック選択ショートカット版

シュミレーターで以下の通り入力

 ・モーターを選択「CLyte 404
 ・他はディフォルトで「Simulate」を押す
 ・グラフ中の黒い点線に出された速度の値を見る

 ・電圧の選択を24Vや48へ変更し、再シュミレートする
 ・さらにタイヤサイズを変更し、再シュミレートする
 ・納得の速度が出たら 選択した「電圧」グラフ中の「Mtr Power」選択した「タイヤサイズ」をメモする




 タイヤのサイズと実用速度域 (アシスト)
ギア比では限界があるため、タイヤサイズの選択は重要となる

20インチ :21.3km/h  *ケイデンス60・スプ ロケット52T*14Tでの計算
26インチ :27.7km/h
700c   :28.1km/h

*ケイデンス60はゆっくりだが、30km/hを超える速度域で頑張って回すの はバランスを崩しやすい


 登坂力
35〜40km/hそこそこの速度が出るとはいえ、軽い車体での話しなので出力はとても低い
50ccと比較してもトルクが弱く、10%を超える斜度ではそれなりの出力を要 する

電圧も関係しますが、主にワット数(仕事量)

250W     :10%は絶望的、人力アシスト必須
350W(500W) :10%多少は登る、負荷も大きい為やはり人力アシスト
380W(600W) :10%それなりに登る、やはり負荷が大きい  20km/h未満
1000W(1400W):10%まともになってくる             30km/h 前後


 アシスト
フル電動自転車においてはアクセルで走ることが多いので、モーターが人をアシストすると言うより
人がモーターをアシストする形になる

主な目的として次が挙げられる
・体力や速度維持を補う    <本来のアシストだが、人は怠惰になっていくもの
登坂力の増強         <これも本来のアシスト、坂道を登ること。低出力だと電動だけでは難しい
・巡航距離の増加       <要は節電、バッテリーを小容量にした場合など に距離を走る為。倍にはまずならない
加速力の増強        <本来のアシストに近いが、国産のそれとは似て 非なるもの


 シングルスピードの進め (変速機無し)
24V250Wの非力な出力でもアクセルのみでの発進が十分に可能
1000Wクラスともなると急な坂道発進もできます

トルクは電動が補ってくれるので、一番重いギアのまま難なく発進し
最高速までの加速がシングルギアで可能

後輪で大きなモーター/出力を構成する場合は、シングルスピードがおすすめ
非力なモーターで坂道などが多い場合は変速があった方がよいかもしれません